第 7 章

Claude Managed Agents

Claude Code でローカル開発の自動化を習得したら、次のステップはクラウドでのエージェント運用です。 Claude Managed Agents は、Anthropic が提供するクラウドホスト型のエージェント API スイートで、 本番環境向けのエージェントをより短期間・低コストで構築・デプロイできます。

7.1 Claude Managed Agents とは

Claude Managed Agents は 2026 年 4 月にパブリックベータとして公開された、 クラウドホスト型エージェントを構築・デプロイするための API スイートです。 セキュアなサンドボックス・認証管理・長時間セッションなど、本番運用に必要なインフラが あらかじめ用意されており、開発者はエージェントのロジックに集中できます。

ℹ️
現在パブリックベータ Claude Platform Console または CLI 経由でアクセスできます。 Notion・楽天・Asana・Sentry などがすでに本番環境で利用しています。

7.2 Claude Code との違い

Claude Code(本講座で学んできたツール)と Claude Managed Agents は、 どちらも Claude を活用しますが、対象とする場面が異なります。

これまで学んだこと

Claude Code(CLI)

  • ローカル環境で動作
  • 開発者が手元で使うツール
  • ファイル操作・コマンド実行・コード生成
  • インタラクティブな対話が中心
  • 個人・チームの開発効率化に最適
次のステップ

Claude Managed Agents(API)

  • クラウド上で動作(サーバーレス)
  • サービス・プロダクトに組み込むAPI
  • 長時間セッション・本番インフラ付き
  • 自律的なワークフローの自動実行
  • エンドユーザーへのエージェント提供に最適
観点Claude CodeClaude Managed Agents
実行場所ローカルマシンAnthropic クラウド
主な利用者開発者本人エンドユーザー(API 経由)
セッション管理ターミナル起動中のみ切断後も継続する長時間セッション
認証・サンドボックス自前で用意組み込み済み
スケール手動で並列実行API で自動スケール
課金Claude Pro / API トークントークン + セッション時間

7.3 主な機能

🔒

セキュアサンドボックス

コード実行が隔離された安全な環境で行われ、本番システムへの意図しないアクセスを防止

🔑

認証情報の管理

外部サービスへの認証情報をセキュアに保管・管理。エージェントが安全に外部 API を呼び出せる

⏱️

長時間セッション

ネットワーク切断が発生しても処理が継続。数時間〜数日にわたる長時間タスクに対応

📊

セッショントレース

Claude Console でエージェントの動作ログ・API 呼び出し・エラーをリアルタイムに可視化

🔄

自己評価・反復

エージェントが定義されたゴールに向けて自己評価しながら繰り返し改善。タスク成功率が最大 10 ポイント向上

🎛️

柔軟な制御モード

完全自律ワークフローから従来のプロンプト・レスポンス型まで、用途に合わせて使い分けられる

7.4 マルチエージェント機能(リサーチプレビュー)

エージェントが必要に応じて別のエージェントを自律的に生成・調整できる マルチエージェント機能がリサーチプレビューとして提供されています。 作業を並列化したいときにエージェント自身がサブエージェントを起動し、 結果を統合して返すことができます。

マルチエージェントの活用イメージ
# メインエージェントがユーザーのリクエストを受け取り…
「競合他社 A・B・C それぞれの最新動向を調査してレポートを作成して」

# → 内部でサブエージェントを 3 つ自動生成
#   Agent-1: 競合他社 A を調査
#   Agent-2: 競合他社 B を調査
#   Agent-3: 競合他社 C を調査

# → 結果を統合してレポートを返す

スコープ付きパーミッションと ID 管理により、 サブエージェントの権限を限定した安全なガバナンスが実現できます。

7.5 料金体系

消費ベースの課金モデルです。Claude API のトークン料金に加えて、 アクティブなセッション時間に応じた実行料金がかかります。

トークン料金
通常の Claude API 料金
入力・出力トークンに応じた標準料金
セッション実行料金
$0.08 / セッション時間
アクティブなセッション 1 時間あたり
💡
自前インフラとの比較 長時間セッション・サンドボックス・認証管理などを自前で構築する場合のエンジニアリングコストと比較すると、 Managed Agents を使うことで「開発期間を数ヶ月から数日に短縮できた」という報告があります。

7.6 導入事例

公開ベータ時点で複数の企業が本番環境での導入を報告しています。 多くの企業がカスタムインフラ構築と比較して開発サイクルが 10 倍速くなったと述べています。

Notion
楽天
Asana
Sentry
ℹ️
活用シナリオの例
  • カスタマーサポートの自動応答エージェント
  • データ収集・分析を自律実行するバックグラウンドエージェント
  • コードレビューや Issue トリアージの自動化パイプライン
  • 長時間かかる調査・レポート生成タスクの非同期実行

7.7 まとめ・始め方

  • Claude Managed Agents はクラウドホスト型エージェント APIで、本番運用向けのインフラが付属
  • Claude Code(ローカル CLI)とは補完関係——手元の開発は Claude Code、プロダクトへの組み込みは Managed Agents
  • 長時間セッション・セキュアサンドボックス・認証管理が最初から利用可能
  • マルチエージェント機能でエージェントが自律的に並列処理を実行できる
  • 料金はトークン料金 + $0.08/セッション時間の消費ベース
🚀
始めるには Claude Platform Console(console.anthropic.com)にアクセスして、 Claude Managed Agents のセクションからパブリックベータに参加できます。 または CLI 経由でのデプロイも可能です。